大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)2446号 判決

原判決摘示事実第一の被告人根本郡司所持のヘロインと同第二の同被告人及び被告人根本永共謀譲渡のヘロインとは所論の如く両者同一物なることは両事実認定につき原判決引用の証拠によつて之を認めることができる。然し、原判決においても右第一と第二のヘロインが敢て別個の物件なりと判断しているわけではなく、単にヘロインなる物件に関し同被告人において所持と譲渡との両所為があつた旨判示しているに過ぎないことは、その文言上自ら明白である。而して麻薬取締法第四条第三号にいわゆる麻薬類所持の取締は、その所持自体から発生することあるべき諸事態を防止するために静的な所持そのものを禁止する法意のものであり、同号の譲渡の取締は、麻薬が放埒に移動することにより発生することあるべき諸弊害を抑制せんがため動的な譲渡自体を取締る趣旨のものであつて、両者は夫々独自に取締の目的と法益とを有し、いづれか一方を取締れば他は当然これに包括吸收されるべき性質のものではない。故に、原判決において此の両所為を併合罪として処断したのは至当であつて、此の点に関し所論の如き理由のくいちがい、擬律錯誤又は事実誤認は孰れも認められない。論旨は共に理由ない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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